ブルージュからパリへの帰途、再びブリュッセルに降りたち
中心部グラン・プラスの東側に位置する丘のほうに行った。
この丘からは市の中心部が見渡せる。
↑ 王宮
かつてブラバン公の城があった場所に18世紀に建てられた。
この宮殿の前には広大なブリュッセル公園があるが、時間がなくて外から覗いただけだった。
また、王宮広場周辺には王立美術館や王立図書館、楽器博物館などがある。
ブリュッセルには王宮が2つあり、ここは王が執務したり賓客を迎える宮殿。
王の一家が生活する居城は市の北部にある。
↑ 王立美術館
15世紀から18世紀までの古典美術館と
19世紀以降の近・現代美術館があり、地下でつながっている。
写真は古典美術館のほう。
ヨーロッパの美術館はどこも広くて広くて驚いてしまうが、
ここも例外ではない。外観からは想像もできないほど広い !!!!
地上3階、地下8階。コレクションは2万5千点以上。
←入場券に印刷された絵は
ブリューゲルの「ベツレヘムの戸籍調査」(部分)
入り口のホールの奥から古典美術館に入る。
15世紀の初期フランドル派の作品から始まる。ヒエロニムス・ボス、メムリンク、クラナハ、
そして16世紀のブリューゲル父子、17世紀のルーベンス等等。
ブリューゲルはやっぱりいい!!
入り口ホールの右手からは近・現代美術館へ入る。
エスカレーターで下へ下へと下りていく。美術館でこんなに怖い思いをしたのは初めて、、、
人間にとって、冥界に近づくイメージの地下ってやっぱり怖いのね、、、
しかも、、、シュールな作品が多いのだ、、、
始めのうちは、ダヴィッド、ゴーギャンなどのフランス古典主義や印象派、ラファエル前派の作品等。
それから、ベルギー象徴派のクノップフ、ポール・デルヴォー(地下5階)や
ルネ・マグリット(地下6階)といったベルギー人画家の作品。
ほかにも知らない人達のおどろおどろしい絵や彫刻・・・
デルヴォーもマグリットも嫌いじゃない、特にマグリットは好き。
でも、今回は何だかとっても不安な気持ちで段々しんどくなってきた。
エレベーターに乗って上へ上がった。(このエレベーターがまた!〜〜こんなエレベーターは
初めて!とっても広くて両側に長椅子が置かれているのです(^^))
↑ 最高裁判所
王立美術館のある通りを南へ歩いて行くと突き当たりが最高裁判所。
150m×160mの世界最大の広さの裁判所。高さは103m。丸屋根天井は修復中。
1866年着工、1883年完成。(中世の絞首刑場跡なんですって。。。)
裏手へまわると、下町のマロル地区を見下ろす。
実はこの後、地図を片手にそのマロル地区へ行ったのです。
ブリューゲルが住んでいた家を探しに〜〜。
これが大変!何しろ細い通りがごちゃごちゃと入り混じっていて、、、
通り掛かった人に尋ねて尋ねて・・・でも知らないという返事ばかり・・・
指定席を取っているパリへ帰る列車の時刻は迫ってきているし・・・
諦めかけて、最後に〜と思って尋ねた人が知っていた!
すぐ近くまで行っていたのだ\(^O^)/
↑ 赤い煉瓦の家がブリューゲルの家
後の丘の上に最高裁判所の建物が見えている。
あとは息せき切って丘を上がり、タクシーでブリュッセル・ミディ(南)駅へ駆けつけた。
不安な気持ちに襲われて退散してしまった王立近・現代美術館だけど・・・
考えてみれば、フランドル芸術の伝統はしっかりと受け継がれ続けているのではないか、、、
ヒエロニムス・ボスの奇怪で幻想的な絵のシュールリアリスティックなものは
近・現代のベルギーの画家達の不気味でシュールな不安感につらなる系譜ではないのか、、、
フランドルの画家の絵の静謐さは、例えばマグリットの絵の
不思議な静寂さにつらなるのではないか、、、
更に言えば、その地理的要因ゆえにローマから始まりヨーロッパの国々に支配され続けた
このフランドルの地は、まさにその「ヨーロッパの十字路」としての地の利ゆえに
首都ブリュッセルには欧州連合(EU)やNATOの本部が置かれており、
今や世界に名だたる国際都市だ。
この国際性もまた、歴史に脈々と受け継がれてきたフランドルの伝統に違いない。