中世の姿を残す クヴェトリンブルク



ドイツ中央部から北部にかけてハルツ山地があります。
ハルツ山地の最高峰はブロッケン山(標高1142メートル)。
ブロッケン山は、“ワルプルギスの祝日”の前夜(4月30日の夜)、
魔女たちがここに集まり、焚き火を囲んで酒宴を催した後、
箒にまたがって飛び去ると伝えられ、
ゲーテの小説『ファウスト』に出てくるので有名です。
また、北海から吹きつける風が山地に当たるために雨や霧が多く発生し、
ブロッケン現象(太陽などの光が見る人を通り越した所にある雲や霧に散乱され、
見る人の影の周りに虹色の光輪となって現われる現象)のネーミングの由来
となった山としても有名です。今回は残念ながらブロッケン山には行かず、
ハルツ山地山麓の世界遺産の町2ヵ所を訪れました。

先ずは、クヴェトリンブルクです。

クヴェトリンブルクは1000年以上の歴史を持ちます。
ほとんど戦災に遭わなかったことから、中世以来の各時代の建物が見事に保存され、
1994年にはユネスコの世界文化遺産の指定を受けました。
人口2万人ほどの小さな町ですが、この町の旧市街には1200戸もの木組みの家が
残されています。




↑ 町の中心部、マルクト広場



マルクト広場の北側正面には市庁舎マルクト教会があります。
写真左上の蔦の絡まる建物は市庁舎、下段真ん中は市庁舎の扉部分です。
市庁舎の建物の左端には、正義の剣と盾を持ち、自由と平和の象徴である
ローラントの像(ローラントはフランス語では、ローラン。フランス中世騎士道の英雄)が
立っています(写真左下)。




↑ 市庁舎の左側に、小さな小路をはさんでオレンジ色のカフェがありました。
おとぎの国の家みたいで、時間があればお茶をしてみたかった〜♪




↑ マルクト広場の南側から、市庁舎や教会が建つ北側を写したものです。
木組みの家が立ち並び、それぞれが今も現役で使われています。





マルクト広場の周辺は細い石畳の路地と、古いものでは14世紀に建てられた
という木組みの家が建ち並んでいます。
それらの建物は、今に至るまで使われ続け、その魅力を放っています。
このような路地を通って、城山へと登ります。





 聖セルヴァティウス司教座教会と城

919年、ザクセン公であったハインリヒ1世はクヴェトリンブルクで鷹狩りをしている最中、
東フランク王国(現在のドイツの地)の国王に選ばれたという知らせを受けました。
ハインリヒ1世は、神聖ローマ帝国の初代皇帝オットー1世の父で、
事実上のドイツ統一を成し遂げた国王とされています。
ハインリヒ1世はこの縁起の良い場所に居城を建てました。
こうして、クヴェトリンブルクは帝国の重要都市として発展することになりました。



↓城山からは、クヴェトリンブルクの市街地が見渡せます。









いろいろな看板がありました。
後から、もっと注意して上を見上げ、写真を撮っておけばよかった〜と
残念に思うほど、クヴェトリンブルクは看板が素敵な町でした。




ハルツ山地の町でよく目にしたものに、魔女グッズがあります。
さすが魔女伝説に彩られた地方です。
                                                                
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