童話
お馴染みブレーメン


グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」のお話によって
ブレーメンという町の名は子どもの頃からよく知っていましたから、
そのブレーメンに行けるだなんて、なんだかとってもワクワクしました(ノ^∇^)ノ

(でも考えてみたら、「ブレーメンの音楽隊」以外のブレーメンを
ほとんど知らないのでした(〃⌒ー⌒〃))



ブレーメンの正式名称は自由ハンザ都市ブレーメンというそうです。


↑ マルクト広場と市庁舎

2004年、ここにある「ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像」
世界遺産に加えられました。

ブレーメンの歴史は古く、遥か紀元前、石器時代から人が住んでいたようです。
787年にカール大帝によって司教区が設置され、
845年には大司教区になりました。

交易の要所であったブレーメンは経済活動の面でも発展を遂げ、
1358年にはハンザ同盟に加盟します。
1404年、世界遺産である「騎士ローラント像」がマルクト広場に設置され
翌1405年には市庁舎が完成しました。

ハンザ同盟は、13世紀ごろに北ドイツ諸都市で商業的利益の確保を
主たる目的に結ばれた都市同盟ですが、
14世紀、15世紀の最盛期には100を超える都市が加盟しました。
様々な要因で16世紀以後は次第に衰えましたが、
当時ハンザ同盟の中心をなしていた都市のいくつかは
今もハンザ都市を名乗っています。
前述のように、ブレーメンも正式な都市名は「自由ハンザ都市ブレーメン」です。




市庁舎ファサード
市庁舎は15世紀初めにゴシック様式で建てられました。
その後、17世紀になってから、広場に面した側に
ヴェーザー・ルネサンス様式のファサード部分が取り付けられたということです。
窓と窓の間の彫像はカール大帝と7人の選定侯などが彫られているそうです。
(↑上の写真はファサード部分の全体、 ↓下の写真はその拡大部分)






↑ 市庁舎側面




↑ 市庁舎側面 扉部分




↑ 壁面には人物像の彫刻があり、目を引きます。





ブレーメンの世界遺産の一つ ローラント像
(ローラントの高さは約5.5m、台座は約60cm、天蓋の高さは約10mという巨大なものです)

片手に剣を、片手に帝国自由都市の象徴である双頭の鷲が描かれた盾を
持っています。
騎士ローラントは、フランスの叙事詩「ローランの歌」の主人公ですが、
ローラント像は何故か北ドイツに多いようなのです。
その理由は、もしかしたら以下のことによるのかもしれないという気がします。
ドイツでは、中世以来、共和制の自治都市が多く認められていましたが、
ブレーメンはそうした都市のなかでも最も古い歴史を誇るといいます。
神聖ローマ帝国時代も、ブレーメンは帝国自由都市の地位を確保し、
強大な城塞を築いて都市の防衛も充実していました。
このように、宗教的にも政治的にも軍事的にも、
そしてハンザ同盟に見られるように経済的にも自治権を持った都市
であるブレーメンの象徴的存在がローラント像なのでしょう。
14世紀に木製で作られたローラント像は、
1366年の自治権をめぐる戦いでカトリック大司教の軍によって破壊され、
その後、1404年に現在のように建て直されました。
第2次世界大戦の空襲にも被害を免れました。
騎士ローラントの像は、ブレーメン市民の自由と権利の象徴であり、
この像が建つ限りブレーメンは自由ハンザ都市でいられるのだと言われていて、
昔も今も、ブレーメンの街のシンボルなのです。



  

市庁舎の横に高さ2㍍ほどの「ブレーメンの音楽隊」のブロンズ像が建てられています。
1953年にゲルハルト・マルクスという彫刻家によって制作されたそうです。

  
グリム童話「ブレーメンの音楽隊」はこんなお話です。
働き者だったロバイヌネコニワトリは齢をとって仕事が出来なくなってしまい、
それぞれの飼い主から追い出されたり虐待されたりして、主人のもとから逃げ出しました。
ロバはブレーメンへ行って音楽隊に入ろうと思い、道中で次々とイヌ、ネコ、ニワトリに出会って
共にブレーメンを目指します。
森の中で日が暮れてしまいました。
すると、灯りがともる家があり、そっと覗くと、泥棒たちがご馳走を食べながら
金貨を山分けしていました。
そこで動物たちは一計を案じ、ロバの上にイヌが乗り、イヌの上にネコが乗り、
ネコの上にニワトリが乗って一斉に鳴きました。
泥棒たちはその声に驚いて逃げ出していったので、動物たちは暖かい家に入って
美味しいものを食べました。
でも、泥棒たちは家を取り戻しに帰ってきました。
そこで動物たちは暗闇のなかで泥棒に襲いかかりました。
真っ暗闇のなかで泥棒たちは、自分達を襲ったのは恐ろしい化け物だと思い込み、
命からがら逃げて行きました。
動物たちはその家がすっかり気に入り、音楽を奏でながら楽しく暮らしました。
  

結局、動物たちは実際にはブレーメンへは行かなかったのですけれど、
このお話は、世界中にブレーメンの名を有名なものにしました。
今や、この像はブレーメンの街の象徴のようになっています。
ロバの前足を撫でながら願い事をすると、願いがかなうと言われ、
像のその部分は、多くの人が触れるため光っています。



 聖ペトリ大聖堂
市庁舎のすぐ横に立ち、とんがった2本の塔が特徴的ですが、
残念ながら修復中でした。

789年にはここにすでに木でつくられた教会があったとされ、
9世紀には、前ロマネスク様式の石造のホールがあったとされています。
1041年に火事によってそれまでの建物が失われた後、
1100年頃には現在見られるロマネスク様式の建物が完成し、
1250年頃には塔が建築されました。
1500年頃にはゴシック様式となり、
19世紀末に大規模な改修の後にいくつかの建物が付け加えられ
現在に至っているとのことです。




       ↑ 入り口の青銅製の扉   ↓ 薔薇窓 (共にとても印象的でした)







長くなるので、続きはページを改めます。
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