1200年の歴史 ハンブルク


正式名称は、ブレーメンと同様、
自由ハンザ都市ハンブルク

6世紀にはエルベ川の支流、アルスター河畔に港湾の町が誕生していました。
バイキングの襲撃から町を守るために、9世紀の初めに城塞が築かれ、
(Hamburgのhamは湾、burgは城塞、砦の意味)
砦の近くに大聖堂も建設されました。

1189年には神聖ローマ帝国皇帝から船舶航行の特許状を受け、
関税特権、経済特権を獲得したことによって交易都市としての発展が進みました。
13世紀にはリューベック、ブレーメンと防衛同盟を結び、
やがてハンザ同盟の一員として大いに繁栄し、
15世紀から17世紀には神聖ローマ皇帝から自治権を持つ「自由都市」の特権を与えられました。
その後、三十年戦争やナポレオン戦争で打撃を受けたりしながら、
19世紀にはドイツ連邦に加盟しますが、ドイツ帝国成立の際にも、
ハンブルクは自由都市としての気風を持ち、独立を維持しました。
1918年11月のハンブルクの人民蜂起はドイツ帝国崩壊の萌芽となりました。
第二次世界大戦では連合軍の空爆によって壊滅的破壊を受けましたが、
復興を遂げています。




聖ヤコブ(ヤーコビ)教会

   

1255年の小さな礼拝堂が起源です。
14世紀後半に、ほぼ現在の姿の教会が建てられましたが、第2次世界大戦で崩壊しました。
その後1962年に再建され、現在に至っています。
ハンブルク市の5つの主要教会の一つです(建設された順番では4番目)。



この教会は宗教改革時代にも破壊を免れたために、美術品が多く残っています。




聖ルカの祭壇(1499年)


聖ルカの祭壇(部分=中央)
キリスト教の伝説的な事柄が描かれていて、
最も中心的なモチーフは幼な児イエスを抱く聖母マリア、
そして、画面上でその聖母子を描いている人物は聖ルカなんですって。
その様子を見守る4人の司教。
ほかにも、教会でもらったパンフレットによると聖ルキアや聖カタリナも
描かれているらしいのだけれど、私はうとくてあまり分かりません。
前列左端の人物が聖ルキアかしら? 美女カタリナはどれ?



聖ルカの祭壇(部分)
左側:ルカによる福音書に書かれている話だとか  右側:聖ルカの死






 聖ペテロの祭壇
1508年、漁師組合によって寄進されたそうです。
真ん中の部分には、幼な子イエスを抱く聖母マリアなど。
左側は、聖ペテロの召命など、ペテロの信仰の物語2題。
右側は、聖ガートルードが巡礼者・聖ヤコブによって女子修道院長に聖職叙任される物語とのこと。









↑ 大理石の説教台(1610年)
17世紀のハンブルクの石工職人たちが、その技能の素晴らしさを
よく示している例だということです。
受胎告知、イエスの誕生、受難磔刑、復活昇天のキリストの物語と
福音伝道者たちの物語が彫られています。



聖ヤコブ像 ⇒  17世紀の木製バロック彫像。
聖ヤコブの典型的ないでたち、即ち、巡礼帽、帆立貝の貝殻、マント、ずだ袋、杖、
福音書の伝道者であることを表す聖書を手にしています。






パイプオルガン
1693年にアルプ・シュニットガーによって製作された、
60のストップと4000本のパイプを持つオルガン




1720年秋、前任のオルガン奏者が亡くなり、バッハを含めて8人が
オルガニストの採用に応募し、、このパイプオルガンで演奏を披露しました。
当然、バッハの演奏が群を抜いていたのですが、就任に当たって多額の寄付を要求され、
バッハの方からこれを断ったというエピソードが残っています。
第二次大戦の空爆で教会は破壊されましたが、
幸いオルガンの主要部品は取り外して疎開させてあったので難を免れ、
戦後、昔のままの姿に修復されました。
私達が訪れていたとき、突然、妙なるオルガンの音色が響きわたりました。
なんと! 近々開かれる教会コンサートのためにオルガニストがリサイタルをしていたのです。
うっとりと聴きつつも、大急ぎでデジカメの動画機能を作動させたのですが、、、
又しても録画に失敗してしまいました(;´○`;) (≧д≦)・゜゜・
バッハの曲だったことは間違いないのだけど、録画が無いので、確かめようもなく、、、(^^;;
ガイドさんの話によると、ドイツでは著名なオルガニストとのことで、
録画には失敗したけれど、幸運な至福の時を過ごせて幸いでした。






↑ 17世紀に描かれたハンブルクの景観。
当時のハンブルクの雰囲気が伝わってきます。
但し、教会の場所も、建物自体も、当時と同じでないものがあります。






 聖ペトリ教会                       ↑ 聖ミヒャエル教会

ハンブルグには、5つの主な教会があります。
私達が訪れた聖ヤコブ(ヤーコビ)教会もその一つです。
聖ニコライ教会は、戦争で破壊されたままの姿で、戦争の愚かさを後世に伝える
ために残されているそうです。
聖ペトリ教会は、ハンブルクの主要教会のなかでは最も古く、11世紀にはすでに
存在していたようですが、今の建物の姿が完成したのは15世紀とのこと。
聖ミヒャエル(ミカエル)教会は、主要教会のなかでは最も新しく、17世紀初めに登場します。
この近くで生まれた作曲家ヨハネス・ブラームスが洗礼を受けた教会だそうです。
あと、聖カタリーネン(カタリーナ)教会があります。


どの教会も、塔からの眺めが素晴らしいそうです。

ハンブルクの続きはページを改めて書きます。

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